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【メディア研究 No.6】カラオケ店でミシン貸し出し、ほか

この「メディア研究」シリーズは、テレビ・新聞をはじめとするマスメディアがどのような視点で世の中のさまざまな社会問題や社会現象を報道しているのか探ることを目的としています。

主としてテレビメディアのニュース報道や情報番組に注目して、放送内容の概要を紹介したうえで、テレビに取材されやすいポイントなどを考察します。

 

なお、【メディア研究 No.5】以前の記事は、Facebook に掲載中です。

 

■ 放送日:2022年5月17日(火)17:48頃~

■ 放送局:日本テレビ

■ 番組名:news every. 

■ 放送内容:カラオケ店でミシン貸し出し、ほか

 

いま、新たな需要を見込んで、“本業以外” のサービスに乗り出す企業が増えている。

カラオケ店でミシン貸し出し? 旅行会社がトマト栽培? 消臭・防虫剤メーカーは猫用トイレセット?

それぞれ “畑違い” の事業に進出したワケは一体何なのか?

東京・池袋にあるカラオケ店「JOYSOUND 池袋西口公園前店」では、同店限定で高級ミシンの貸し出しサービスが人気となっている。

防音設備が整った個室で周りを気にせず裁縫に没頭できる。

1台15万円ほどの高級ミシンを1日1000円で貸し出すサービスを行なっている。

“本業” 以外にサービスを広げたワケは、新型コロナの影響でカラオケの利用客が減ったこともあるが、大手ミシンメーカーがグループ会社だったこともきっかけのひとつ。

“アニメや漫画の聖地” 池袋という立地から、コスプレイヤーの利用を見込んでいたが、主婦層にも好評だったため、サービスを3か月延長した。

埼玉・蓮田市では大手旅行会社のHISが農業に特化した子会社を設立した。

栽培したトマトなどをファーストクラス・エコノミークラス等と表記し自社で販売している。 

HISではコロナ禍で旅行以外の収益の主軸を模索した際に農業を始め、農業体験ツアーを企画するなど旅行業との連携も見込んでいる。

消臭・防虫商品を製造販売するエステーは、今年ペット事業に参入した。

第一弾として販売した猫用のトイレセットには、本来廃棄されるトドマツの間伐材から抽出した天然成分を使い、排泄物の匂いを消臭する効果がある。

ペット事業に参入した背景のひとつに、飼育放棄などの問題の原因に、においが挙げられていたため参入したという。

🟩 考察、気づき(テレビに取材されやすいポイントなど)

 

● カラオケ店でミシン貸し出し、旅行会社がトマト栽培という意外性。

 

● ミシンは当初想定したターゲット層とは別の主婦層にも好評だったという想定外の現象。

 

● 赤いミニトマトの映像が映えて画になるのでテレビ的。

 

● 廃棄されるトドマツの間伐材を再利用という点からSDGsにつながる。

 

● コロナ禍のペットブームで臭いが原因の飼育放棄という社会問題を解決できる。

 

● 本業以外でも収益を出そうとする工夫をテーマ(切り口)に、異なる業種の3社を取材してコロナ禍の社会現象を切り取っている。

🟩 この番組でのキーワード

 

コロナ禍 カラオケ店 旅行会社 農業 ペット消臭 飼育放棄